2014年度

JFCC研究成果集

技術革新を支える新材料開発と先端解析技術

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2014-15

ゼオライト内吸着カチオンの精密構造解析


技術のポイント

ゼオライト内の有効なイオン交換・吸着サイトについて電子顕微鏡法と計算科学手法により評価・解析する

応用研究


背景
ゼオライトは放出される放射性物質の有効な吸着材などとして利用されている。しかしその吸着機構は複雑で未解明な部分も多く存在するため、より深いメカニズムの知見が求められている。

目的
NaA型ゼオライトと非放射性セシウム水溶液を用いたモデル系において イオン交換を行い、電子顕微鏡法と計算科学手法により有効なイオン交換サイトについて解析を行う。

成果
セシウムのイオン交換・吸着は3種類あるイオン交換サイトのうち1種類でのみ起こる。Cs吸着のサイト選択性はゼオライト細孔とカチオン半径との一致が一因となる


・試料:NaAゼオライトを7.5 mM_CsCl (aq) 中で12H保持した後乾燥
・観察手法:AC-HRTEM、AC-STEM
・計算:第一原理分子動力学(AIMD)法
図1. 電子顕微鏡像と対応するモデル構造
図2. 300K での8員環内
AIMDカチオン軌跡
(灰色ドット:Na+ or Cs+)



期待される適応分野
? Cs吸着材の高効率化
? 新規ゼオライト触媒の材料設計

参考文献 〔1〕 K. Yoshida et al.: Sci. Rep. 3, 2457 (2013). 
〔2〕 K. Yoshida, et al. : AIP Advances 3, 042113 (2013).



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