2018年度

JFCC研究成果集

未来社会を創出する革新材料開発と先端解析技術

研究成果/計算科学と電池 研究開発トップへ 2018年度の一覧へ

R-3
2018

層状ペロブスカイト型固体電解質のLiイオン伝導性と構造乱れの相関




課題
全固体Liイオン二次電池の実用化には、固体電解質の特性向上が必要である
層状ペロブスカイト型La(1-x)/3LixNbO3 におけるLiイオン伝導率の向上には、原子構造とLiイオン伝導率の相関を解明し、材料設計指針を明確化することが望まれている

解決手段
理論計算を用いて、La原子分布とLiイオン拡散の相関を系統的に検討した
⇒Laの配置の異なる27種類の構造モデルを作成した

成果・新規性
(1) A2層中のLa濃度が増加すると、構造が不安定になることを解明した
(2) A2層中のLa濃度が増加すると、格子定数aが膨張し、格子定数cが縮む
(3) A2層にLaイオンが入ると僅かにLiイオンもA2層に入る
(4) A2層中のLi濃度が増加すると、Liイオン伝導率が向上する


計算方法: 古典論分子動力学(MD)法、18×18×9スーパーセル(約2万5千原子)





(a) La(1-x)/3LixNbO3の単位セル、(b) 格子エネルギーの構造乱れ依存性
(c) 格子定数aの構造乱れ依存性、(d) 格子定数cの構造乱れ依存性
(e) A2層のLa濃度とLiイオンの自己拡散係数の相関性



期待される市場・応用
全固体Liイオン二次電池用材料 電気自動車、蓄電技術

発表文献
X. Hu, C. A. J. Fisher, et al.. Acta Mater. 127 (2017) 211-219.
X. Hu, C. A. J. Fisher, et al., Acta Mater. DOI:10.1016/j.actamat.2018.06.006

謝辞 本研究は、トヨタ自動車(株)からの委託研究として実施したものである


研究開発トップに戻る 2018年度の一覧に戻る