2018年度

JFCC研究成果集

未来社会を創出する革新材料開発と先端解析技術

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R-5
2018

Liイオン電池用固体電解質の熱処理によるナノ構造変化




課題
電池の安全性向上:従来の有機電解液を用いない不燃性の固体電解質を用いた全固体リチウムイオン電池の開発が期待されている
Aサイト欠損ぺロブスカイト構造を有するLixLa(1-x)/3NbO3(LLNbO)固体電解質の微細構造がイオン伝導特性に与える影響について探索する

解決手段
LLNbO単結晶を高温より急冷することにより準安定構造を形成
⇒原子分解能HAADF-STEM+EDSマッピング、XRD結晶構造解析

成果・優位性
急冷による熱処理により、A1層のみに配位していたLaの一部が、空乏層であるA2層に移動した
⇒平均格子定数a値は増加し、格子定数c値は減少した
⇒ナノ構造変化により、Liイオン伝導特性が向上した


(a)急冷したLLNbOを[ 100 ] 方位から観察したHAADF像および結晶モデルと
原子分解能HAADF-STEM-EDSマッピング、(b) O-K端、(c)Nb-L端、(d) La-L端、
(e) Nb-L端+ La-L端黄矢印で示すA2層にLaイオンが移動

急冷前後のLLNbOのXRDパターン



期待される市場・応用
全固体リチウムイオン電池材料 電気自動車、定置型電源

発表文献
X. Hu et al., Acta Mater. 123 (2017), 167-176.
X. Hu et al., Acta Mater. 127 (2017), 211-219.
X. Hu et al., Acta Mater. DOI:10.1016/j.actamat.2018.06.006

謝辞 本研究は、トヨタ自動車(株)からの委託研究として実施したものである


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