2018年度

JFCC研究成果集

未来社会を創出する革新材料開発と先端解析技術

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R-7
2018

プロトン伝導性固体電解質における
伝導キャリア濃度の第一原理計算




課題
プロトン伝導性酸化物固体電解質であるBaZrO3は高い燃料利用効率などの利点から次世代燃料電池として期待されている。実用化における課題は、プロトン伝導率の向上、もしくは電子伝導率(リーク電流)の抑制である

解決手段
ハイブリッド汎関数法に基づく高精度第一原理計算を用いた電気伝導キャリアの生成濃度の定量評価

成果・新規性
BaZrO3の格子欠陥として想定される全ての点欠陥、添加元素によるプロトントラップなどの複合欠陥モデルも考慮した包括的な計算の実行
BaZrO3における電気伝導キャリアの中ではバンド伝導性のホールや電子よりもポーラロン伝導性のホールの方が主要キャリアであることを解明
平衡する雰囲気の温度、ガス分圧に対する濃度依存性の評価
Y、Yb、Scの3種類の添加元素の中でYb添加の優位性の解明


第一原理計算による20mol%Y添加BaZrO3
おける欠陥濃度の温度変化
20mol%Y添加、Yb添加、Sc添加BaZrO3
おけるプロトン伝導キャリア濃度の温度変化



期待される市場・応用
・酸化物燃料電池、電池材料における欠陥濃度の理論評価
・半導体材料におけるキャリア濃度の評価

謝辞 本研究は、NEDOエネルギー・環境新技術先導プログラム「超高変換効率新規プロトン導電デバイスの開発」の支援を受けて行われた研究である


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