2018年度

JFCC研究成果集

未来社会を創出する革新材料開発と先端解析技術

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R-11
2018

放射光X線トポグラフィおよびエッチピット法による
AlN単結晶の評価




課題
AlNはパワー素子や深紫外LEDの究極な半導体材料として期待されるが、結晶成長条件最適化や素子不良解析に必要な単結晶評価技術が無い
⇒結晶欠陥、特に転位を広い面積にわたり非破壊で評価することが困難
⇒貫通転位を正しく分類できるエッチピット法が未確立

解決手段
・放射光X線トポグラフィによる正確かつ非破壊の転位検出・分類方法の確立
・溶融アルカリ性腐食液を用い、AlNにおける転位を検出できるエッチピット法の確立
・透過型電子顕微鏡を用い、エッチピット法による転位分類の精度を検証

成果・優位性
(1) 等価な6方向g=11-26非対称回折およびg=0006対称回折を用いたX線トポグラフィ観察により、転位のバーガースベクトルの方向と大きさを評価した
(2) 強酸化剤Na2O2を添加した溶融KOHでAlN単結晶をエッチングし、貫通転位の検出と分類に成功した


実験方法 放射光X線トポグラフィ:KEK-PF、X線波長0.9〜2.0Å、回折g=11-26、g=0006
化学エッチング:KOH+Na2O2溶融液、480~520℃、1〜10分

等価6方向X線トポ像

エッチピットの光顕像

TEM二波励起暗視野像




期待される市場・応用
AlN結晶の転位低減とAlNパワーデバイス・発光デバイスの不良解析

発表文献
Y. Yao, Y. Ishikawa, et al., 2018春季応物講演会

謝辞 本研究は、NEDOエネ環・未踏チャレンジ2050にて実施したものである


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