2018年度

JFCC研究成果集

未来社会を創出する革新材料開発と先端解析技術

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R-17
2018

2種類の細孔構造(階層構造)を
有する高透過性ゼオライト分離膜




課題
蒸留分離に替わる省エネルギー分離技術である膜分離は、膜透過速度が実用化にとって最も重要である
分離膜の透過性を向上させるためには、透過抵抗の原因となる緻密なゼオライト層をピンホールの形成なく薄くすることが課題となっている

解決手段
山口大学(喜多教授)のグループが作製したMFI型ゼオライト分離膜が階層構造を有することを、電子顕微鏡技術により発見した
階層構造を利用することで、ピンホールの形成を抑止しつつ、抵抗となる分離活性層の薄いゼオライト分離膜を作製することで上記課題の解決を図る

成果・優位性
ポスト処理によって階層構造を付与した分離膜の作製については検討例はあるが、本件のように、階層構造を持つゼオライト膜を直接作製した報告例はない


緻密なゼオライト多結晶体膜内に20〜30nmの細孔が内在した階層構造を確認
実際に抵抗となるゼオライト層は薄く、膜全体の透過抵抗は小さい



期待される市場・応用
蒸留分離(「水とアルコール」「水と酢酸」など)から膜分離への置き換えで50%以上の省エネルギー効果

謝辞 本研究は、NEDOからの委託研究ならびにJSTのCRESTにおいて実施したものである


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