2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

3研究成果 / 次世代エネルギーデバイス

R-17

2021

SDGs7

層状ペロブスカイトBa2ScHO3の欠陥構造とヒドリド伝導性

SDGs7

アピールポイント

新奇固体電池電解質のイオン伝導メカニズム解析
【技術シーズ:網羅的欠陥エネルギー計算による解析】

課題

水素化物イオンが拡散する新しいイオン伝導体として注目される酸水素化物

・層状ペロブスカイト構造を持つBa2ScHO3はイオン伝導性を有していることが確認されたが、具体的なイオン伝導機構については未解明

解決手段

・Ba2ScHO3において想定される全ての点欠陥種の形成エネルギー計算を網羅的に実施することで水素雰囲気下での主要な点欠陥種を決定

・陰イオン種ごとの拡散過程の移動エネルギーを遷移状態探索により算出

成果・新規性

・形成エネルギーと移動エネルギーの合計からイオン伝導の活性化エネルギーを計算

・Ba2H2層内における空孔機構あるいは準格子間機構によるH-イオンの移動が主要なイオン伝導種

・実験方法:平面波基底PAW法(VASPコード)、Nudged Elastic Band法

第一原理計算で決定された各陰イオン伝導の見かけの活性化エネルギー赤破線は活性化エネルギーの測定値
第一原理計算とNudged Elastic Band法で決定された準格子間機構によるH-の協調移動

期待される市場・応用

・ヒドリドイオン伝導体を固体電解質に用いた新奇固体電池

発表文献

F. Takeiri, A. Watanabe, A. Kuwabara, H. Nawaz, N. I. P. Ayu, M. Yonemura, R. Kanno, G. Kobayashi, Inorg. Chem., 58 (2019) 4431–4436.

謝 辞:本研究は科研費新学術領域「複合アニオン化合物の理解:化学・構造・電子状態解析」(16H06440)で実施されたものである。

プレゼンテーション動画

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