2024年度

JFCC研究成果集

グリーンイノベーションを推進する次世代マテリアル開発と解析技術

2研究成果 / 次世代電池

R-10

2024

SDGs7

BaZrO3中のプロトン伝導と局所格子歪み

SDGs7

アピールポイント

伝導度の支配因子が添加元素により異なることを解明
【技術シーズ:第一原理計算/回帰分析/グラフ理論】

課題

・BaZrO3の高いプロトン伝導度には低い活性化・会合エネルギーが必要​

・活性化・会合エネルギー はYやScなどの添加元素種および濃度により変化

・そのドーパント濃度依存性のメカニズム解明が材料設計に必要

解決手段

・伝導度を決定づける拡散係数の活性化・会合エネルギーのグラフ理論と第一原理計算に基づく経路探索による評価​

・経路上の結晶構造の回帰分析による特徴量抽出

・上記特徴量によるエネルギーへの影響をドーパント濃度ごとに調査

成果・新規性

・算出した活性化・会合エネルギーは実験値の変化をよく再現

・回帰分析によりエネルギーの支配因子抽出;Y:八面体回転、Sc:八面体歪み

・Sc系の八面体歪みメカニズムでは濃度によるエネルギーへの影響は変わらず、低い活性化および会合エネルギーを維持でき、高い伝導度を達成可能

・計算方法:平面波基底PAW法(VASPコード)、Nudged Elastic Band法、グラフ理論

活性化エネルギーEa、会合エネルギーEasの実験値変化を再現​
Y系: 八面体回転​
 濃度上昇によりエネルギー変化量ΔE大​
Sc系:オフセンター変位​
 エネルギー変化量ΔEの濃度依存性なし​
→ Sc系は低いEaおよびEasを維持可能

期待される市場・応用

・プロトン伝導性燃料電池

・解明した伝導度変化メカニズムに基づく新規固体電解質の開発

謝 辞:本研究の一部は、JST CREST(JPMJCR18J3)および公益財団法人 池谷科学技術振興財団の支援を受けて実施されたものである。

プレゼンテーション動画

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※この動画にはAI音声を使用しております。