2023年度

JFCC研究成果集

GX時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

1研究成果 / 脱炭素

R-3

2023

SDGs9

エントロピー安定化による耐熱性酸化物の結晶構造制御

SDGs9

アピールポイント

耐熱性酸化物の多元素系化による相安定性向上
【技術シーズ:均一固溶体形成/結晶構造解析】

課題

・超低熱伝導性を有するR2TiO5R:希土類元素)は、次世代航空機エンジン用部材の遮熱コーティング材として期待​

・熱サイクル環境下において相転移に伴う体積変化により、コーティングの破壊や剥離をもたらすことが懸念

解決手段

・噴霧熱分解法により4種類のR元素を含む原料粉末を合成した後、所定温度で焼成することにより、均一固溶したエントロピー安定化R2TiO5を作製​

・放射光XRDにより取得した回折パターンを基に、リートベルト解析による結晶構造の決定と最大エントロピー法による電子密度分布の計算を実施

成果・新規性

R元素の組み合わせにより結晶相制御が可能であり、その相境界はR元素の平均イオン半径で整理可能

・エントロピー安定化により温度変化に伴う相転移の抑制が可能

あいちシンクロトロン光センター(BL5S2)

R2TiO5の結晶系と平均Rイオン半径の関係(青線は純物質の相境界)
立方晶-R2TiO5の電子密度分布(R/Ti>2)

期待される市場・応用

・熱サイクルを受ける様々な耐熱部材の結晶構造安定化

発表文献

K. Asai, M. Tanaka et al., J. Solid State Chem., 287, 121328 (2020)​

謝 辞:本研究は、防衛装備庁安全保障技術研究推進制度JPJ004596の一環として実施されたものである。

プレゼンテーション動画

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