2023年度

JFCC研究成果集

GX時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

6研究成果 / 先進微構造解析

R-26

2023

SDGs9

分割型STEM検出器を用いたゼオライト原子構造直接観察

SDGs9

アピールポイント

最先端の検出器・結像技術を用いた電子線敏感材料の観察
【技術シーズ:OBF STEM法】

課題

・ゼオライトは電子線照射に弱く、容易に結晶構造が損傷

・低電子線量条件ではダメージを低減できる一方、信号ノイズ比が著しく低下

・従来手法では詳細な原子構造観察が困難

解決手段

・走査透過電子顕微鏡(STEM)と分割型検出器を利用した観察​

・分割された検出領域から複数のSTEM像をゼオライト試料から同時取得​

・各検出領域からのSTEM像をもとに再構成処理を実施​

成果・新規性

・分割型検出器から最適明視野(OBF)像を再構成することで、ゼオライトの原子構造を直接可視化

・ゼオライト材料特性にも重要な軽元素である酸素サイトまで観察可能

・実験方法:原子分解能STEM、8分割型検出器

期待される市場・応用

・電子線に弱い試料の超高分解能構造解析

(ゼオライト、金属有機構造体、電池材料、高分子材料、生体組織など)

発表文献

K. Ooe et al., Ultramicroscopy 220(2021) 113133. 大江耕介ら、顕微鏡57(2022) 49-53.​

謝 辞:本研究は、JSPS科研費(22KJ3209)の支援を受けて実施されたものである。

プレゼンテーション動画

動画の引用・無断転載・無断使用を固く禁じます。