2022年度

JFCC研究成果集

新時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

4研究成果 / 次世代エネルギーデバイス

R-21

2022

SDGs7

複合アニオン化合物Ba2H3X中の​ショットキー欠陥とヒドリド伝導

SDGs7

アピールポイント

新奇固体電池電解質のイオン伝導機構の解析
【技術シーズ:網羅的点欠陥/移動エネルギー計算】

課題

・​水素化物イオン(H-、ヒドリドイオン)が伝導する新しいイオン伝導体に注目​

・Ba2H3X (X=Cl、Br、I)で200 ℃で10‒3 S/cm を超える高いHイオン伝導

・その支配的な点欠陥種とイオン伝導機構は未解明

解決手段

・Ba2H3X中の点欠陥形成エネルギーの網羅的第一原理計算を行い支配的な​点欠陥種を決定​

・ヒドリドイオンの伝導過程の移動エネルギーを算出​

成果・新規性

・ヒドリド空孔とバリウム空孔のショットキー欠陥が支配的な欠陥であることを解明

・最近接H1-H2サイト間の空孔機構により、ヒドリドイオンは0.2 eV程度の​低い移動エネルギーで伝導​

・実験方法: 平面波基底PAW法(VASPコード)、Nudged Elastic Band (NEB)法

Ba2H3I中の点欠陥形成エネルギー
計算により得られたヒドリド伝導経路
左図のヒドリド伝導経路の
エネルギーダイアグラム

期待される市場・応用

・ヒドリドイオン伝導体を固体電解質に用いた新奇固体電池

発表文献

H. Ubukata, F. Takeiri, K. Shitara, C. Tassel, T. Saito, T. Kamiyama, T. Broux, A. Kuwabara, G. Kobayashi, H. Kageyama, Sci. Adv. 7 (2021) eabf7883.​

謝 辞:本研究は、科研費新学術領域「複合アニオン化合物の理解:化学・構造・電子状態解析」(16H06440)で実施されたものである。

プレゼンテーション動画

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