マイクロ波帯における複素誘電率測定用標準物質(ER-ZST)
標準物質
- 直径が等しく、一方の高さが他方の高さの3倍に等しい誘電特性の揃った一組の(Zr,Sn)TiO4セラミックス円柱。
- 5GHz用が用意されています。
特徴
- 一対の試料間の誘電正接(tanδ)の差が2×10-6以下になっています。
- 被測定用導体板の表面粗さ、酸化状態を反映した実効導電率を2%以内の不確かさで決定できます。
- マイクロ波帯域における低損失誘電体材料の比誘電率、誘電正接の高精度評価が可能となります。
- 測定装置の精度校正に有効です。
標準物質の外観
※本品は、埼玉大学小林禧夫教授の協力を得て開発したものです。
測定原理 |
マイクロ波用ファインセラミックスの誘電特性の試験方法(JIS R1627-1996)により誘電体共振器法で行います。片面が鏡面研磨された2枚の被測定用導体板を用意します。標準物質の両端面を2枚の導体板で挟んでTE011モード(a)、及びTE013モード(b)の誘電体共振器を構成します。それぞれの共振周波数及び無負荷Qの測定値より被測定用導体板の実効導電率を決定します。詳細はテクニカルレポートを参照して下さい。 |
標準物質の仕様 | ||
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材料 | (Zr,Sn)TiO4 | |
共振周波数 f0 | 5GHz | |
寸法 | TE011モード | 直径 φ14mm 長さ6.46mm |
TE013モード | 直径 φ14mm 長さ19.38mm | |
誘電正接 tanδ | 10×10-4以下 | |
2モード間のtanδの差 △tanδ | 10×10-6以下 | |
比誘電率 ε' | 39±1.0 | |
2モード間のε'の差 △ε' | 0.4以下 | |
2モード間のf0の差 △f0 | 30MHz以下 | |
f0の温度係数 TCF | 0±2ppm/k | |
直角度 | 90±0.2° | |
表面粗さ Ra | 0.9μm以下 |
標準物質の物理的特性(参考値) | |
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吸水率 | 0.01%以下 |
絶縁抵抗 | 1×1011(Ωm)以上 |
線膨脹係数 | 6.5(ppm/k) |
熱伝導率 | 1.9(W/mk) |
比熱 | 630(J/kgk) |
密度 | 5100(kg/m3) |
Vickers硬度 | 900 |
曲げ強さ | 98(MPa) |
頒布価格 【5GHz用】 170,000円/セット
※本品は(株)村田製作所に製造委託したものです。※料金には消費税を含みません
テクニカルレポート TR-ER-ZST |
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マイクロ波帯における複素誘電マニュアルと標準物質(ER-ZST)の特性 ・測定マニュアル(原理、装置、治具、手順など) ・標準物質の詳細(必要性、安定性、ばらつきの評価など) |
頒布価格/20,000円(税抜) |