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<< 戻る 2009年1月22日


熱電材料として有望なCa0.33CoO2(カルシウムコバタイト)中のCa原子およびCa空孔の直接観察


 近年の環境問題においてCO2など温室効果ガスの排出を抑制することは極めて重要な課題である。解決策の1つとして、工場や発電所等で発生する排熱を電力に変換して発電する方法が提案されている。これを実現するために必要な熱電変換デバイスに用いられる有望な材料の1つがCaxCoO2である。JFCCナノ構造研究所の黄 栄(研究員)、平山 司(所長代理)、幾原雄一(客員主管研究員、東大教授)らは名古屋大学の杉浦健二氏(博士課程学生)、太田裕道准教授との共同研究でCaxCoO2の薄膜を最先端の走査透過型電子顕微鏡法で解析した。その結果、このCaxCoO2薄膜中に存在する2種類のCa規則構造およびCa空孔を観察することに成功した。これら2種類のCa規則構造およびCa空孔はCaxCoO2薄膜の電気特性と密接に関連しているため、その制御が非常に重要である。この成果は米国科学誌Applied Physics Lettersに掲載された。




 CaxCoO2薄膜の走査透過型電子顕微鏡像。最も明るく見えるのがCo原子の層、その間がCa原子の層。Ca原子層の明暗が空孔の存在を示唆している。


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