<< 戻る | 2010年11月1日 |
JFCCが所有する最先端の電子顕微鏡を用いて、元素中で最も軽い元素である水素原子(原子番号1)の観察に世界で初めて成功した。この成果は東京大学幾原教授(JFCC主管研究員)の強力な指導の下、同教授の研究グループ、JFCCナノ構造研究所、産業技術総合研究所の共同研究によるもので、「走査透過型電子顕微鏡」を用いた新たな観察手法(角度制御環状明視野―走査透過型電子顕微鏡法(ABF-STEM法))と観察条件を理論計算で精密に予測することにより達成された。 水素原子は直径約1千万分の1mmと非常に小さく軽いため直接観察は不可能とされていたが、今回の成果により水素吸蔵合金や新たなエネルギー材料の性能向上に貢献できるものと考えられる。 今回観察に用いた手法は他の元素にも応用可能であり、水素の他、リチウム(今年5月にプレス発表済み)、炭素、窒素、酸素などの軽元素の観察に適用すれば、ナノテクノロジーによる材料の性能、信頼性向上に貢献できるものと考えられる。 最先端の電子顕微鏡を駆使することで全ての元素を観察できることを示した画期的な成果である。 なお、本成果は2010年11月5日発行の応用物理学会誌「アプライドフィジックス・エクスプレス」オンライン版で公開される。(Applied Physics Express 3 (2010)116603) |
VH2の高分解能透過走査電子顕微鏡像 水素原子がはっきりと観察されている |
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