2012年度

JFCC研究成果集

未来開拓研究による環境・エネルギーへの挑戦

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2012-7

理論計算によるゼオライト中の水分子吸着の解析


技術のポイント

ゼオライト膜の水分子吸着現象の原子レベルでの理論計算

基礎研究


背景
一連の結晶性アルミノケイ酸塩(ゼオライト)が分離膜として幅広く用いられている。有機物分子の吸着濃度や拡散係数などは、結晶内気孔の大きさ、形状および密度によって劇的に変わる。

目的
様々なゼオライト種の気孔における水分子吸着の理論計算を行い、原子構造・温度・分圧との関連について系統的に検討する。

成果
(1) 水分子がMOR型ゼオライトに二段階の過程で吸着することを明らかにした。
(2) 高分圧ではFAU型およびEMT型中の吸着容量がMOR型およびMFI型より大きいが、低分圧の場合、MOR型の方が大きい。
ゼオライトにおける水分子の吸着量と分圧・温度の依存性の理解


・手法: モンテカルロ(MC)法(Towheeコード)および分子動力学(MD)法(DL_POLYコード)
・評価: 吸着等温式(吸着濃度と水分子分圧の依存性)の計算水分子の拡散係数および軌跡の解析計算

図1. 種々のゼオライト構造
(陽イオンのみ)
図2. それぞれのゼオライトにおける
水分子の吸着等温特性



今後の展開
他のゼオライト種についての検討、
他の手法(第一原理計算など)を用いた
検討を行う
多孔体の設計・ 開発などに寄与

謝辞 本研究は、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「規則性ナノ多孔体精密分離膜部材基盤技術の開発」の委託業務の結果得られたものである。



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