2019年度

JFCC研究成果集

新時代の扉を開く革新的・材料開発/解析技術

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R-30
2019

高速原子間力顕微鏡による生体分子の初期吸着挙動解析




課題
生体用チタン表面に表面電位(正または負)を有する酸化チタンスケールを形成させると、その表面では骨芽細胞への分化能が向上する。生体内に僅かに存在するタンパク質(フィブロネクチン、Fn)が骨芽細胞の接着を促すが、Fnの吸着挙動は明らかではない。

解決手段
溶液中での高速原子間力顕微鏡(AFM)を用いてFnを可視化することにより、吸着量だけでなく初期の吸着形態も明らかにする。

成果・新規性
表面電位が正に帯電した酸化チタンスケール上では、ゼロの表面に比べてFn等の吸着量が多い。
Fnの高さ測定により、吸着形態(側面または端部吸着の違い)を確認


実験方法: 高速AFM、スキャンスピード1.5秒/フレーム(溶液中)
酸化チタン単結晶上に吸着
したFn等のAFM像
(24時間浸漬、培養液)
モデルサンプル(アミノシラン被覆マイカ、正に帯電)上に
吸着したFnの高速AFM像(Fn, 10 μg/mlリン酸緩衝液注入
後)と吸着形態(Fnの高さ測定により、側面吸着を確認)
(本評価手法を、酸化チタンスケールに適用予定)



期待される市場・応用
生体活性向上メカニズム解明に基づく人工骨開発

発表文献
M. Hashimoto et al., Acta Mater., 155 (2018) 379-385.

謝辞 本研究は、JSPS科研費(16K06786)の助成を受けたものである。


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