2024年度

JFCC研究成果集

グリーンイノベーションを推進する次世代マテリアル開発と解析技術

2研究成果 / 次世代電池

R-11

2024

SDGs7

Ca添加YPO4におけるプロトン伝導機構の第一原理計算

SDGs7

アピールポイント

YPO4中の欠陥濃度定量化とプロトン伝導経路を決定
【技術シーズ:点欠陥濃度解析/移動エネルギー障壁計算】

課題

・次世代プロトン伝導性セラミック燃料電池において、低コストかつ環境負荷の低い固体電解質材料の開発が必要​

・プロトン伝導体の結晶に対するプロトンの固溶濃度や移動経路の解明が課題

解決手段

・一次元伝導チャンネルを有するCa添加YPO4に着目し、所定の酸素分圧と水蒸気分圧の下で熱平衡点欠陥濃度の温度依存性を評価し、プロトン固溶量を計算​

・遷移状態計算を用いて、YPO4の格子内におけるプロトン拡散の素過程を解析

成果・新規性

・Ca添加によって、プロトン(OHO )の固溶量が高くなることを解明

・c軸チャンネルを介したプロトン伝導の移動エネルギー障壁は約0.17 eV

→ プロトンはc軸方向のチャンネルで長距離拡散するキャリア

・計算方法:第一原理計算(VASPコード)、濃度計算(Pydecsコード)、Nudge Elastic Band法

支配的な欠陥種:添加カルシウムとプロトンの会合対
プロトンの拡散経路と移動のエネルギー障壁

期待される市場・応用

・プロトン伝導セラミックス燃料電池

謝 辞:本研究は、JSPS科研費学術変革領域(A)「計算科学による超セラミックスの設計と物性機能解明」(22H05146)で実施されたものである。