2024年度

JFCC研究成果集

グリーンイノベーションを推進する次世代マテリアル開発と解析技術

3研究成果 / 環境材料

R-13

2024

SDGs12

ガラス精密研磨用セリア系砥粒スラリーの劣化挙動

SDGs12

アピールポイント

砥粒スラリーの劣化原因が砥粒凝集であることを解明
【技術シーズ:噴霧熱分解法】

課題

・セリア系砥粒は化学機械研磨(CMP)用砥粒としてガラス精密研磨で多用​

・砥粒スラリー循環式CMPで研磨中に砥粒スラリーが劣化

・砥粒スラリー劣化原因は未だに不明な点が多い。

解決手段

・形状、粒子径、粒子径分布をそろえた粒子合成が可能な噴霧熱分解法で種々の組成の模擬砥粒を合成​

・種々の砥粒スラリー・研磨条件での劣化挙動を評価

成果・新規性

・砥粒スラリーの劣化挙動は、研磨速度がほぼ一定の領域(領域 I)と急激に低下する領域(領域 II)に大別

・領域 I → 領域 IIへの遷移は砥粒種、研磨圧力には依存せず、研磨されたガラス量に依存

・領域IIでは砥粒が凝集 →「研磨に有効に作用する砥粒数減少」が劣化の原因

・実験方法:模擬砥粒の噴霧熱分解合成、スラリー循環式研磨

セリア系砥粒スラリーの寿命評価
領域I→領域IIの遷移までに研磨された
ガラス量と砥粒組成・研磨圧力の関係
研磨されたガラス量と
スラリー中の粒子径分布

期待される市場・応用

・長寿命砥粒スラリー開発

・劣化砥粒スラリーの再生技術

・希少金属使用料低減化技術

発表文献

K. Kawahara et al., Proc. Intern. Conf. on Planalization/CMP Tech., (2014), 340-343.​

謝 辞:本研究は、JSPS科研費(JP20K04222)の助成を受けて実施されたものである。