2024年度

JFCC研究成果集

グリーンイノベーションを推進する次世代マテリアル開発と解析技術

6研究成果 / 先進微構造解析

R-25

2024

SDGs7

走査透過電子顕微鏡法を用いたPt表面の精密原子間距離計測

SDGs7

アピールポイント

Pt表面のピコメートルスケールでの格子膨張計測に成功
【技術シーズ:走査透過電子顕微鏡法】

課題

・車載用燃料電池の普及には触媒性能向上が求められており、触媒性能の一つの重要な因子となる触媒粒子表面の構造解析技術確立が重要な課題

・Pt触媒は表面の原子間距離と触媒活性が関係していることが予測されているが、粒子表面の原子間距離の精密な実測データは少ない。

解決手段

・走査透過電子顕微鏡(STEM)法と高精度画像取得・解析技術を組み合わせて、Pt粒子表面の原子間距離を実空間で計測

成果・新規性

・STEM像から高精度に原子輝点座標を抽出し、ピコメートルスケールの原子間距離計測に成功

・触媒Pt粒子の(111)表面では内部と比較して原子間距離が約2 pm膨張、表面ステップ箇所では収縮していることを実証

・実験方法:走査透過電子顕微鏡法

投影Pt-Pt原子間距離マップ
Pt-Pt原子間距離プロット

期待される市場・応用

・燃料電池電極触媒の表面制御による触媒性能の向上

謝 辞:本研究は、JSPS科研費(JP21K18196、JP22H04914)、NEDO「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業(JPNP20003)」、文部科学省マテリアル先端リサーチ事業(JPMXP09A21UT0037)において実施されたものである。