2015年度

JFCC研究成果集

次世代を支える新材料開発と先端解析技術

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2015-10

第一原理計算によるY2Ti2O7結晶における点欠陥安定性の評価


技術のポイント

原子レベルでの理論計算により、Y2Ti2O7結晶における点欠陥の形成エネルギーの評価

基礎研究


背景
次世代航空機エンジンのための輻射熱反射コーティングの構成材料であるY2Ti2O7パイロクロアにおいて、結晶中の点欠陥の生成・拡散挙動は材料の耐酸化性や耐水蒸気性評価の基礎となる。

目的
第一原理計算によりY2Ti2O7結晶中における点欠陥の形成エネルギーを評価し、物質移動機構に対して重要な役割をもつ欠陥種を検討する。

成果
(1) 複合欠陥も含めた点欠陥の形成エネルギーを網羅的に評価した。
(2) Y2Ti2O7において、酸素欠損位置を含んだ酸素複合欠陥が安定に存在し、物質移動機構に重要な役割をもつことが示唆された。
原子レベルでのY2Ti2O7結晶における点欠陥の形成挙動について解明


・手法: 第一原理計算(VASPコード)  
・評価: 点欠陥の形成エネルギーΔEf → 点欠陥のサイト占有率

Y2Ti2O7 パイロクロア結晶構造
Y2Ti2O7 における点欠陥サイト占有率の酸素分圧依存性



期待される適応分野
・ 高信頼性高温構造材料の開発
・ 酸素イオン伝導体の開発

参考文献 S. Kitaoka et al., in Design, Development, and Applications of Structural Ceramics, Composites, and Nanomaterials: Ceramic Transactions, Vol. 244, 107-118 (2014).
謝辞 本研究は、 JST-ALCA(先端的低炭素化技術開発事業)の一部として実施したものである。



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