2024年度

JFCC研究成果集

グリーンイノベーションを推進する次世代マテリアル開発と解析技術

1研究成果 / 脱炭素

R-1

2024

SDGs7

Agナノ粒子プラズモンによる赤外光物性制御

SDGs7

アピールポイント

半導体+金属粒子により世界最高レベルの赤外屈折率を達成
【技術シーズ:成膜・熱処理プロセス/光物性評価】

課題

・赤外線はエネルギー・情報伝達を担う重要な光である。​

・様々な光学特性は、屈折率nおよび消衰係数kによって決まる。

・「高いn」と「低いk」を両立する新素材ができれば光の制御性を向上できる。

解決手段

・金属ナノ粒子中の自由電子振動「プラズモン」によって赤外域のn増大を狙う。​

・半導体β-FeSi2中にAgナノ粒子を分散させ、プラズモンの発現/制御を狙う。​

・Agナノ粒子を均一高濃度分散する積層成膜→熱処理プロセスを開発

・赤外分光エリプソメータによってnkスペクトルを実測・解析

成果・新規性

β-FeSi2の組成比制御(Fe:Si=1:2)によってAgナノ粒子の均一分散に成功

・Ag粒子の微細化+高分散化によって巨大なプラズモン共鳴の発現に成功

・従来のBi2Te3を超える赤外光物性「高いn」+「低いk」を達成

β-FeSi2中に分散したAgナノ粒子複合膜の微細組織
nkスペクトルのプラズモン共鳴ピーク

期待される市場・応用

・マクロ的な光物性(高いn+低いk)を活かした新たな光デバイス

・ミクロ的な光物性(Ag粒子間の電場増強など)を活かしたセンサ・発電など

謝 辞:本研究は、防衛装備庁 安全保障技術研究推進制度JPJ004596「ナノ構造デザインによる赤外輻射スペクトル制御」(2020年度~2022年度)で実施されたものである。

プレゼンテーション動画

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