2研究成果 / 次世代電池
R-7
2024
オペランド透過電子顕微鏡による全固体電池のLi伝導の可視化
アピールポイント
動作中の電池内部のLiの動きをナノスケールで可視化
【技術シーズ:オペランド解析】
課題
・全固体電池は、現行のLiイオン電池を上回る安全性・エネルギー密度に期待
・全固体電池用部材として、Li4Ti5O12負極が高耐久かつ高出力材料として有望
・Li4Ti5O12負極のLiイオン伝導・相転移メカニズムが不明
解決手段
・オペランド透過電子顕微鏡法と電子エネルギー損失分光法によるLiの観察
・動作中の全固体電池内部のLiの動きをナノスケールで可視化
・Li4Ti5O12⇔Li7Ti5O12の相転移挙動を実空間で観察
成果・新規性
・Li挿入時にLi4Ti5O12粒子表面を優先的にLiが伝導することを発見
・Li挿入/脱離時の空間的に非対称なLi分布を発見
・Li4Ti5O12に対して、Li7Ti5O12のLi拡散係数が2桁低いことを発見
→ Li4Ti5O12:1.2×10-11 cm2/s、Li7Ti5O12:1.0×10-13 cm2/s
→ Li4Ti5O12のLiイオン伝導経路、相転移メカニズムを提案
・実験方法:オペランド透過電子顕微鏡解析、電子エネルギー損失分光法
期待される市場・応用
・全固体Li電池の高エネルギー密度化に資する材料設計指針の提供
・固体イオニクスの基礎学理の構築
発表文献
Y. Nomura et al., J. Mater. Chem. A 11, 2324–23248 (2023).
謝 辞:本研究は、防衛装備庁安全保障技術研究推進制度JPJ004596「AI的画像解析によるオペランド電子顕微鏡計測技術に関する研究」、JSPS科研費(9H05814、23K13837、23H00241、23H01858)、花王科学芸術財団、村田学術振興財団の助成を受けて実施されたものである。
プレゼンテーション動画
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