2024年度

JFCC研究成果集

グリーンイノベーションを推進する次世代マテリアル開発と解析技術

6研究成果 / 先進微構造解析

R-24

2024

SDGs9

低ドーズ電子線ホログラフィーによる有機EL素子内部の電位計測

SDGs9

アピールポイント

ナノスケールにおけるダメージレスな電位分布計測
【技術シーズ:電子線ホログラフィー/機械学習】

課題

・有機ELの特性を解析するために電子線ホログラフィーによる電位計測が有効

・電子線照射ダメージを低減するために低電子線量(低ドーズ)計測が重要

・低ドーズ化によるノイズ成分増加および計測精度の低下が課題

解決手段

・電子線照射の影響を低減するために、1枚あたりの露光時間を減少させた低ドーズ条件で電子線ホログラフィーを実施​

・機械学習に基づく画像解析法により撮影した像のノイズを低減

成果・新規性

・露光時間を1/60にした場合も同等の計測精度を実現

・有機分子(Alq3)の形成する電場が電子線照射によって減少することを発見

・当初の電位分布が維持される照射量は従来必要な量の約6割であることを発見

→ 本手法によって電子線照射による影響がない計測が可能

・実験方法:電子線ホログラフィー、機械学習

期待される市場・応用

・有機EL素子の発光効率向上に寄与する素子設計指針の提供

・有機太陽電池やトランジスタなど電子線脆弱デバイスへの応用

発表文献

Y. Sasaki et al., Microscopy, 72, 6, 485–493(2023).​

謝 辞:本研究は、JSPS科研費(JP19K05289、JP19K22136、JP20H02627)の助成を受けて実施されたものである。

プレゼンテーション動画

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