2024年度

JFCC研究成果集

グリーンイノベーションを推進する次世代マテリアル開発と解析技術

2研究成果 / 次世代電池

R-9

2024

SDGs7

ハイスループット第一原理計算による新規プロトン伝導体の探索

SDGs7

アピールポイント

新奇なプロトン伝導体の計算探索と実験による実証
【技術シーズ:ハイスループット第一原理計算】

課題

・プロトン伝導性セラミック燃料電池の実用化には高いプロトン伝導性を有する固体電解質材料の開発が必要不可欠​

・過去のプロトン伝導性酸化物固体電解質の研究は、ペロブスカイト構造を有する酸化物を対象としたものがほとんどで、結晶系の選択肢の少なさが問題

解決手段

・結晶構造データベースに存在する立方晶系に属する候補材料群に対して、ハイスループット第一原理計算により網羅的に多量の計算データを取得​

・プロトン伝導性固体電解質に必要な物性値(バンドギャップ、酸化物イオン空孔の水和エネルギー、ドーパント固溶エネルギー)を満たすような有力候補を計算で選抜し、合成と計測で実証

成果・新規性

・これまで報告されていない非ペロプスカイト型構造のPb添加Bi12SiO20とSr添加Bi4Ge3O12においてプロトン伝導性を観測することに成功

・計算/実験方法:第一原理計算(VASPコード)、固相合成、ACインピーダンス測定

(左)Bi12SiO20、(右)Bi4Ge3O12の結晶構造
Pb添加Bi12SiO20およびSr添加Bi4Ge3O12のプロトン伝導率の(左)H2O/D2O雰囲気依存性と(右)アレニウスプロット

期待される市場・応用

・プロトン伝導性セラミック燃料電池

・各種イオン伝導体の探索

発表文献

S. Fujii, A. Kuwabara et al., Adv. Energy Mater., 2301892 (2023)​

謝 辞:本研究は、JST CREST「実験と計算科学の融合による革新的プロトン伝導性無機化合物の創製」(JPMJCR18J3)で実施されたものである。

プレゼンテーション動画

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※この動画にはAI音声を使用しております。